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【コエノコ収録 ご利用事例】Mさん(50代・女性)

声を残しておくことが、手術への覚悟と家族への安心になりました

スタジオで台本を読み上げて自分の声を収録するMさん(後ろ姿)

喉頭がんの手術を控えたMさん。4月に病気が発覚し、高松市内の複数の病院を経て、岡山大学病院での喉頭全摘手術が決まりました。

「声がなくなるということが、想像もつかなかった」——娘さんと息子さんの励ましを支えに手術を決断し、手術前にできることをしようと「コエノコ」を選んでくださいました。今回は、香川での収録に伺いました。

手術を決断するまで

家族の励ましが、背中を押した

病気が発覚してから、Mさんはすぐには手術の決断ができませんでした。声を失うことへの恐怖は大きく、その葛藤と向き合うための時間が必要でした。

それでも、娘さんと息子さんからの「頑張ってほしい」という言葉が、Mさんの背中を押します。

「家族にそう言われて、頑張るしかない、と思えました」

手術を決めた後は、「声を残す方法」など、いまできることを一つひとつ調べ始めました。

コエノコにたどり着くまで

家族と一緒に、自然な声で残せる方法を選んだ

Mさんは手術が決まってから、自分の声を残す方法を娘さんと一緒に調べました。

その中でコエノコ(Save the Voice プロジェクト)を知ったのは、声を残すサービスを探す中でのことでした。名古屋大学との共同研究という点や、将来的に自分の声をリアルタイムで出力することを目指した取り組みが、Mさんと娘さんの目に留まりました。

「できれば機械を当てて話す形ではなく、できる限り自然な声で話せるものを。AIが進歩しているので、少しでも希望を持てるようにしたい」

音質のサンプルを聴いて、自然な声に近いと感じられたことも、決め手のひとつになりました。

決断までに時間がかかった理由

「顔も知らない人とのやりとりが、不安でした」

コエノコへの問い合わせから収録の決断までは、しばらく期間が空きました。理由のひとつは、インターネット上でのやりとりへの不安でした。

「顔が見えていたら安心なんですが、顔も見たことのない人とお金のやりとりも……それがすごく不安でした。でも、こうしてお会いすると安心して」

最終的に収録を後押ししたのは、娘さんの言葉でした。「後で後悔しても、声が出なくなってからでは録れない。今のうちに残しておこう」——その一言が、Mさんの決断を固めました。

実際に収録してみて

「500文も読めたのが、ちょっとびっくりでした」

収録当日、Mさんは500文を超える文章を読み上げました。手術が近づくにつれて声のかすれが出てきていた中での収録でしたが、休憩を挟みながら無事にやり遂げました。

「家では50文を読むのもやっとだったので、こんなに読めたんだ、とびっくりしました」

収録を終えて、Mさんは静かにこう話してくださいました。「自分の声で話せる方が、子どもたちも安心してくれるのかなと思っています」

ノートパソコンとマイクの前で収録する様子(後ろ姿)

声を残した、いまの気持ち

「補助的にでも、自分の声が使えるという安心感」

手術を目前に控えた今も、不安がなくなったわけではありません。それでも、声を録り終えたことで、気持ちに少しだけ変化が生まれました。

「恐怖心はもちろんあります。でも、急いで来ていただいて、頼んでよかったと思っています」

娘さんも「早く日程が決まったことを、母はとても嬉しそうにしていました」と話します。手術直前まで迫るスケジュールの中で収録を終え、「手術前にできることはやった」という感覚が、少しずつ心の支えになっているようでした。

コエノコ担当者より

「声を残す」という選択肢を、必要としている方へ届けたい

Mさんのように、手術を前に声や発話への不安を抱える方は、決して少なくありません。情報を調べ、ご家族と相談しながら決断される——そのプロセス自体が、大きな精神的負担を伴うものです。

声は、手術のあとに同じ形で録れるとは限りません。だからこそ、限られた時間の中で「いまの声を残しておく」ことには、大きな意味があります。

今回は名古屋から香川へ伺い、収録を行いました。声を残したい方のために、私たちは全国どこへでも駆けつけます。

コエノコはこれからも、声の変化と向き合う方が安心して治療や暮らしに向き合えるよう、手術前の声を未来へ残すお手伝いを続けます。

あなたも、手術前の声を残しませんか?