代用発声とは?食道発声・電気式人工喉頭・シャント発声をやさしく比較
3つの方法と、声を残す選択肢を比べる

喉頭を摘出すると、これまでの声は出せなくなりますが、「代用発声」を身につけることで再び会話を取り戻していけます。
代表的な方法は、食道発声・電気式人工喉頭・シャント発声の3つ。それぞれ仕組みも、習得のしやすさも、長所・短所も異なります。この記事では3つの方法をやさしく比較し、あわせて「手術前に自分の声を残す」という別の選択肢にも触れます。
食道発声
器具のいらない、自分の肉声に近い方法
食道発声は、飲み込んだ空気を食道から吐き出し、食道入口部の粘膜のひだ(新声門)を声帯の代わりに振動させて音を作る方法です。器具も追加の手術もいらず、両手が自由に使えるのが大きな利点です。
一方で、習得には練習と時間がかかります。3〜6か月ほどを目安に練習することが多いとされますが、上達の度合いには個人差があります。音量が小さめで、一息で話せる長さが短いという面もあります。
電気式人工喉頭(電気喉頭)
習得しやすく、入院中から練習できる
電気式人工喉頭は、振動する機器をのどに当てて音を出し、口や舌の動きで言葉にする方法です。習得が比較的簡単で、機器があれば入院中から練習を始められます。安定した音量で長く話せるのも利点です。
短所としては、片手がふさがること、声が平板で機械的になりやすいことが挙げられます。機器の入手や携帯が必要になりますが、電気式人工喉頭は日常生活用具の給付・貸与の対象になる場合があります。
シャント発声(ボイスプロステーシス)
比較的自然に、長く話せる
シャント発声は、気管と食道をつなぐ管に一方向弁の器具(ボイスプロステーシス)を入れ、肺の息で食道を振動させて発声する方法です。呼気を使うため、比較的自然に、長く流暢に話しやすく、習得も比較的容易とされています。
ただし、器具を留置する手術が必要で、定期的な器具の交換や毎日の管理が欠かせません。ここでも、手術前と同じ「自分の声」がそのまま戻るわけではない点は共通しています。
代用発声と「自分の声を残す」AI音声のちがい
「自分の声を残す」という別の選択肢
3つの代用発声は、いずれも声帯を失ったあとに、別の音源で発声機能を「補う」方法です。会話の手段を得るための大切な方法ですが、手術前の声をそのまま再現するものではありません。
これに対して私たち「コエノコ」は、手術前にご本人の声を収録し、AIで音声モデルを作成して術後に再生する「声を残す」サービスを提供しています。代用発声と組み合わせて使うことも考えられます。
どの方法が合うかは、体の状態や生活、ご本人の希望によって変わります。担当の医師や言語聴覚士、当事者団体の発声教室にも相談しながら、自分に合う方法を検討していきます。
よくある質問
- 代用発声にはどんな種類がありますか?
- 主に「食道発声」「電気式人工喉頭(電気喉頭)」「シャント発声」の3つがあります。仕組み・習得のしやすさ・長所と短所がそれぞれ異なり、体の状態や生活に合わせて選んだり、組み合わせたりします。
- いちばん習得しやすいのはどれですか?
- 一般に、電気式人工喉頭は習得が比較的簡単で入院中から練習でき、シャント発声も比較的容易とされています。食道発声は器具がいらない利点がある一方、習得に練習と時間がかかります。ただし向き不向きには個人差があります。
- 代用発声で、手術前の自分の声に戻りますか?
- いずれの代用発声も、声帯を失ったあとに別の音源で発声機能を補う方法で、手術前と同じ自分の声がそのまま戻るわけではありません。自分の声そのものを残すには、手術前に声を保存しておく必要があります。
- 代用発声と「声を残すAI音声」は併用できますか?
- 考え方として、代用発声で会話を取り戻しつつ、手術前に残しておいたご自身の声をAIで再生して併用する、という組み合わせも可能です。
出典・参考
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