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声を失った人が使えるアプリは?「自分の声」で話すための種類と手術前の備え

読み上げアプリから、自分の声のAI音声まで

スマートフォンを手に、どのアプリを選ぶか考える女性

「手術で声を失ったら、スマートフォンのアプリで会話できるのだろうか」——喉頭摘出や声帯の手術を前に、ご本人やご家族がよく調べるテーマです。

結論からいえば、声を失った方の会話を支えるアプリにはいくつかの種類があり、音声合成アプリを使う方法は耳鼻咽喉科の学会誌でも「新しい代用音声」として報告されています。ただし、「自分の声」で話したい場合には、手術前だからこそできる準備があります。この記事では、アプリの種類と違い、そして手術前の備えについて整理します。

声を失っても「アプリで話す」という選択肢がある

学会誌でも報告される、新しい代用音声

喉頭摘出などで声を失った方は、国内に約3万人いるとされています。これまで、声を取り戻す方法としては食道発声・電気式人工喉頭・シャント発声といった「代用発声」が中心でした。

ここ数年で、状況は少しずつ変わりつつあります。スマートフォンの音声合成アプリを会話に使う方法が、耳鼻咽喉科の学会誌でも「新しい代用音声」として報告されるようになりました。文字を入力すると音声が再生される仕組みで、声帯を使わずに「声」を届けられます。

アプリは代用発声と置き換わるものではなく、組み合わせて使えるものです。まずは、どんな種類があるのかを整理してみましょう。

声を失った人が使えるアプリは、大きく4種類

「すぐ使えるか」と「自分の声か」で見分ける

一つめは「文字読み上げ(テキスト読み上げ)アプリ」です。スマートフォンの標準機能や無料アプリで、入力した文字を合成音声が読み上げます。今日からでも使える手軽さが利点ですが、声は既製の合成音で、ご本人の声ではありません。

二つめは「筆談・文字表示アプリ」です。音を出さず、画面に表示した文字で伝えます。騒がしい場所や、聞き取りが難しい相手とのやりとりで役立ちます。

三つめは「自分の声のAI音声合成」です。手術前に収録しておいたご本人の声をAIが学習し、術後は文字を入力すると「自分の声」で読み上げます。声そのものを十分な品質で残せるのは、基本的に声を失う前です。

四つめは「声質変換」です。電気式人工喉頭などで発した声を、リアルタイムで収録済みの自分の声に近づけます。読み上げ型と違って文字入力を待たないため、対面での会話のテンポを保ちやすい方法です。

ソファに並んでスマートフォンの画面を一緒に見るシニアの夫婦

「自分の声」で話したいなら、手術前の準備が大切

課題も知ったうえで、早めの相談を

4種類のうち、「自分の声のAI音声合成」と「声質変換」は、どちらも声が出せるうちに収録したご本人の声が材料になります。名古屋大学が進めるAMED事業でも、音声を失ってしまう前に音声を保存しておくことが前提とされています。

一方で、課題も報告されています。学会誌の報告では、読み上げまでのタイムラグや操作の複雑さから、うまく使いこなせなかった方もいたとされています。アプリを選ぶときは、「どの場面で使うか」(対面か、電話か)と「操作を続けられそうか」をあわせて考えることが大切です。

手術までの時間は限られていることが多いものです。喉頭全摘出術が治療の選択肢に入った段階で、治療方針の相談と並行して、「声を残すかどうか」をご家族と話し合っておくことをおすすめします。

コエノコのアプリでできること

「合成」と「変換」、場面で使い分ける

私たち「コエノコ」は、手術前に収録した声をAIで保存し、術後に2つのアプリで「自分の声」を使えるようにするサービスです。名古屋大学「Save the Voice」プロジェクトの研究を土台にしています。

「コエノコ合成」は、文字を入力すると保存しておいた自分の声で読み上げるアプリです。電話での手続きや、まだ電気喉頭が使えない術後すぐの時期に向いています。「コエノコ変換」は、電気喉頭などで発した声をリアルタイムで自分の声に近づけるアプリで、対面でのとっさの会話に向いています。

治療方針は一人ひとり異なります。まずは担当の医師とよく相談したうえで、「自分の声を残す」ことが気になったら、無料相談でお気軽にお尋ねください。

よくある質問

声を失った後からでも、「自分の声」のアプリは作れますか?
自分の声をそのまま収録して残せるのは、声を失う前だけです。過去の録音や動画が十分に残っていれば活用できる場合もありますが、音質や長さに大きく左右されます。手術の予定がある場合は、手術前の収録をおすすめします。
読み上げアプリの声と「自分の声のAI音声」は何が違いますか?
どちらも文字を音声に変える仕組みですが、読み上げアプリの声は既製の合成音です。自分の声のAI音声は、手術前に収録したご本人の声をもとに作るため、「その人らしい声」で話すことを目指せます。
スマートフォンの操作が苦手でも使えますか?
文字入力ができれば使えるものが中心です。学会誌の報告では操作の複雑さが課題になった例もあるため、ご家族のサポートも含めて、続けられそうかを確かめながら選ぶのがおすすめです。なおコエノコの収録では、専用アプリと機材をスタッフが操作するため、ご本人が操作を覚える必要はありません。
電気式人工喉頭や食道発声と、アプリは併用できますか?
併用できます。対面の会話は電気喉頭や声質変換、電話や長い文章は読み上げ型、というように場面で使い分けている方がいます。代用発声の習得と並行して、アプリを備えておくこともできます。
費用はどのくらいかかりますか?
アプリやサービスによって、無料のものから収録・合成に費用がかかるものまで幅があります。コエノコの料金はご状況によって異なるため、無料相談でご案内しています。

出典・参考

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