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医療従事者の方へ|喉頭摘出術前の音声保存という選択肢とご紹介の流れ

どの患者さんに、いつ、どうお伝えいただくか

医療機関と連携して声を残す取り組みを表すイラスト

コエノコは、手術で音声を失う前にご本人の声を収録・保存し、術後にご本人の声に近い合成音声でのコミュニケーションを目指すサービスです。名古屋大学が AMED 事業として取り組む「Save the Voice」プロジェクトの知見をもとに、TARVO株式会社が提供しています。

このページは、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の先生方、言語聴覚士、がん相談支援センターの相談員・医療ソーシャルワーカー、病棟看護師の方に向けて、どの患者さんに・いつ・どのようにお伝えいただけるかと、ご紹介の流れをまとめたものです。

コエノコとは

代用発声に代わるものではなく、併用する選択肢です

コエノコは、手術で音声を失う前にご本人の声を収録して保存し、術後は文字入力からご本人の声に近い合成音声で発話することを目指すコミュニケーション支援サービスです。

背景にあるのは、名古屋大学が AMED 事業として取り組む「Save the Voice」プロジェクトです。喉頭摘出者の音声再生を目指す研究の知見をもとに、TARVO株式会社がサービスとして提供しています。

はじめにお伝えしたいのは、コエノコは代用発声(食道発声・電気式人工喉頭・シャント発声)に代わるものではない、という点です。代用発声の訓練は術後のコミュニケーション再建の中心であり、コエノコはそれと併用していただく選択肢です。ご本人が「自分の声」で伝えたい場面を補うもの、とお考えください。

どの患者さんに、いつお伝えいただくか

声が保たれているうちほど、収録の条件が良くなります

対象となるのは、これから音声を失う可能性がある患者さんです。喉頭全摘出術が予定されている方(喉頭がんの進行例、放射線治療後の再発例)、下咽頭がんなどで喉頭を合併切除される方、そして神経筋疾患で発話が難しくなることが見込まれる方も対象に含みます。

お伝えいただくタイミングは、手術の方針が決まってから術前までの間です。ご本人の声を残せるのは手術の前だけで、術後には選べない選択肢になります。

また、嗄声が進むほど収録できる音声の条件は厳しくなります。声の状態が保たれているうちにご相談いただけたほうが、結果としてご本人の満足度は高くなります。「手術日が近づくほど選択肢が狭まる」という時間の構造をご共有いただけると助かります。

  • 対象:喉頭全摘出術の予定がある方/喉頭を合併切除される方/神経筋疾患で発話が難しくなる見込みの方
  • タイミング:手術方針の決定後から術前まで(術後には選べません)
  • 声の状態が保たれているうちほど、収録の条件が良くなります

患者さん・ご家族へのお伝えのしかた

「いま決めなくてよい」を添えてください

告知の直後は、新しい情報を受け取れる状態にないことがほとんどです。「声を残せる方法がある」という情報だけを置いて、判断は後日でよいとお伝えいただく形が、実際にはいちばん届きやすいと考えています。

以下は、お伝えいただくときの言い方の一例です。適切な伝え方はご施設の運用や職種ごとのお立場によって異なりますので、そのままではなく、実際にあわせて言い換えてご判断ください。

  1. 医師から(術前説明の流れの中で触れる場合)

    「手術で喉頭を摘出すると、いまの声は出せなくなります。ただ、手術の前であれば、いまの声を録音して残しておくという方法もあります。すぐに決めていただく必要はないので、情報だけお伝えしておきますね。」

  2. 言語聴覚士から(代用発声のご説明とあわせて)

    「術後は食道発声や電気式人工喉頭で話す練習をしていきます。それとは別に、手術の前にいまの声を録音して残しておくという選択肢もあります。訓練の代わりになるものではありませんが、ご興味があれば資料をお渡しします。」

  3. 相談員・医療ソーシャルワーカーから(ご相談を受けたとき)

    「声のことがご心配なのですね。術後の話し方の練習のほかに、手術の前にいまの声を残しておくという方法もあります。特定の事業者をご紹介する立場ではありませんので、そうした選択肢があることをお伝えするところまでになりますが、探し方はご一緒に考えられます。ご家族だけで情報を集めていただいても構いません。」

ご本人が受け止めきれない時期のとき

ご本人が情報を受け止めきれない時期であっても、ご家族だけでのご相談は可能です。「ご家族から問い合わせていただいても構わない」と一言添えていただけると、判断の時期を後ろにずらしながら選択肢を残せる場合があります。

収録の実際

所要3〜4時間。音声データは当日お渡しします

収録は東京・名古屋・大阪のスタジオで行います。ご事情に応じて、出張での対応もご相談いただけます。

所要時間は3〜4時間程度です。ご用意した文章を読み上げていただく形式で、途中の休憩や、体調にあわせて途中で終了することもできます。収録に慣れていない方でも無理なく進められる構成にしています。

収録した音声データは、当日USBメモリに保存してご本人にお渡しします。お渡ししたデータは無償・無期限でご自由にご利用いただけ、二次利用も可能です。音声が事業者側にだけ残る形にはなりませんので、その点も患者さんにお伝えいただけます。

手術日まで一週間を切っている場合も、特急対応で収録できる可能性があります(別途手数料が必要です)。ただし体調や声の状態、スタジオ・スタッフの空き状況によっては、ご希望に添えないこともあります。手術が迫っているときほど、できる限り早めにご相談ください。

費用の扱い

自費です。公的医療保険・日常生活用具給付の対象ではありません

コエノコは自費でのご利用となります。公的医療保険の対象ではなく、電気式人工喉頭のような日常生活用具給付の対象でもありません。ここは患者さんが混同されやすい点ですので、はじめにお伝えいただけると誤解を防げます。

具体的な金額は、ご相談の内容に応じてご案内しています。お問い合わせいただければ、患者さんにそのままお伝えいただける形でご返答します。

なお、名古屋以外での収録は、スタッフ2名分の交通費を別途申し受けます(名古屋での収録に交通費はかかりません)。出張対応の場合は、これに加えて遠征費を別途お見積もりします。手術日が近い場合の特急対応にも、別途手数料が必要です。

できること・できないこと

限界を先にお伝えします

過去の録音(ホームビデオ・留守番電話など)から音声を合成することには、現在は対応していません。雑音や録音の短さ、話し方の偏りによって品質が大きく制約されるためです。「録音が残っているから大丈夫」と考えておられる患者さんには、この点を先にお伝えいただけると、期待のずれを防げます。

手術前に声を残した場合でも、元の声帯発声そのものが戻るわけではありません。目指しているのは、ご本人の声に近い合成音声でのコミュニケーションです。

一方で、電気式人工喉頭で発した音声をご本人の声に近づける「コエノコ変換」という工程があります。代用発声の訓練を続けながら併用していただける設計です。

ご紹介・ご連携の流れ

お問い合わせと、院内でお使いいただける資料について

お問い合わせは、ご本人・ご家族・医療従事者のいずれからでも承ります。ご本人の体調が優れない場合に、ご家族が代わりにご相談いただくこともできます。

医療従事者の方からのお問い合わせでは、フォームで「医療従事者として」をお選びいただくと、導入のご検討、共同研究・PoCのご相談、資料請求からご用件をお選びいただけます。

院内でのご説明にお使いいただける、「Save the Voice」プロジェクトとコエノコのご案内資料をご用意しています。必要な部数とあわせて、資料請求からお知らせください。

ご不明な点は、まずはお気軽にお問い合わせください。実際のご利用の様子は、ご利用者の事例記事もあわせてご覧いただけます。

よくある質問

患者さんにどのタイミングでお伝えするのが適切ですか。
手術の方針が決まってから術前までの間です。ご本人の声を残せるのは手術の前だけで、術後には選べない選択肢になります。ただし告知直後は情報を受け取りにくい時期でもあるため、「いま決めなくてよい」と添えて情報だけをお伝えいただく形が現実的です。
手術まで一週間を切っていますが間に合いますか。
特急対応で収録できる可能性があります(別途手数料が必要です)。ただし体調や声の状態、スタジオ・スタッフの空き状況によっては対応できないこともあります。手術が迫っているときほど、できる限り早めにご相談ください。
収録した音声データは患者さんの手元に残りますか。
はい。収録当日にUSBメモリでご本人にお渡しします。無償・無期限でご自由にご利用いただけ、二次利用も可能です。音声が事業者側にだけ残る形にはなりません。
代用発声の訓練とどちらを先に勧めるべきですか。
どちらか一方を選んでいただくものではありません。代用発声の訓練は術後のコミュニケーション再建の中心で、コエノコはそれと併用していただく選択肢です。収録は手術前にしかできない一方、代用発声の訓練は術後に始まるため、時期が重なることは基本的にありません。
神経筋疾患の患者さんも対象になりますか。
対象に含みます。発話が難しくなる前のご相談が前提となりますので、ご本人の状態やご希望とあわせて、個別にご相談ください。
費用はいくらですか。保険は使えますか。
自費でのご利用となり、公的医療保険の対象ではありません。電気式人工喉頭のような日常生活用具給付の対象でもありません。具体的な金額はご相談の内容に応じてご案内していますので、お問い合わせください。
院内で使える説明資料はありますか。
「Save the Voice」プロジェクトとコエノコのご案内資料をご用意しています。お問い合わせフォームの「資料請求」から、必要な部数とあわせてご連絡ください。

出典・参考

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