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手術前に自分の声を残す方法まとめ|自宅録音のコツ・メッセージバンキング・AI音声保存

残せるのは手術の前だけ。3つの方法と、あとで後悔しないための準備

手術前に声を収録する様子のイラスト

喉頭摘出など、声を失う可能性のある手術を控えたとき。「自分の声」をそのまま残せるのは、手術の前だけです。

この記事では、手術前に声を残す方法を「スマホでの自宅録音」「メッセージバンキング」「スタジオ品質のAI音声保存」の3つに整理し、それぞれのコツと違い、過去の録音から合成する場合の限界、主治医やご家族への相談のしかたまでをまとめます。

声を残せるのは、手術の前だけ

なぜ「いま」なのか

喉頭全摘出術では、声帯を含む喉頭ごと摘出するため、これまでの声(声帯を使った発声)は手術のあとには出せなくなります。食道発声や電気式人工喉頭などの代用発声で会話は取り戻せますが、それは「話す手段」であって、手術前の自分の声そのものではありません。

だからこそ、自分の声を残せるタイミングは手術の前だけです。名古屋大学のSave the Voiceプロジェクトでも「手術で音声を失ってしまう前に音声を保存する」ことが出発点になっています。方法は大がかりなものだけではありません。今日からできることも含めて、順に見ていきます。

方法1: スマホで自宅録音する

今日からできる、いちばん手軽な方法

スマホの録音アプリ(ボイスメモなど)があれば、今日から声を残せます。コツは、テレビやエアコンの音が入らない静かな部屋で、口とマイクを近づけすぎず、いつもの話し方で録ること。原稿の朗読よりも、家族の名前を呼ぶ言葉、いつもの口ぐせ、「おはよう」「ありがとう」のような日常のフレーズのほうが、あとで聞いたときに「その人らしさ」が残ります。

一度に長く録る必要はありません。体調のよいときに、数分ずつ何回かに分けて録りためましょう。録音した音声は、スマホ本体だけでなくクラウドや家族のパソコンにもコピーし、消えない場所に保管しておくことが大切です。

  • 静かな部屋で、いつもの話し方で録る
  • 朗読よりも、家族への言葉・口ぐせ・日常フレーズを
  • 数分ずつ録りためて、クラウドなど複数の場所に保管

方法2: メッセージバンキングという考え方

「伝えたい言葉」を先に録っておく

メッセージバンキングは、将来自分の声で伝えたい言葉——家族の名前の呼びかけ、「いってらっしゃい」「おめでとう」、感情のこもった言い回しや笑い声——を、元気なうちに録音して「預けておく」考え方です。声を失う可能性のある病気と向き合う人たちの間で広がってきました。

録音そのものは方法1と同じくスマホでできます。違いは「何を録るか」を先に決めておくこと。伝えたい相手と場面を思い浮かべてリストを作り、ひとつずつ録っていくと、あとで再生するだけでも家族の支えになり、AI音声を作る際の素材としても活きます。

方法3: スタジオ品質でAI音声として残す

コエノコ収録——専用スタジオとスタッフのサポート

自宅録音は手軽な一方、雑音や音質のばらつきがあり、そのままではAI音声合成の素材として十分でないことがあります。コエノコでは、専用スタジオで音響スタッフのサポートを受けながら収録し、手術後にその声からAI音声(自分の声で話せる音声合成)を作れる品質で保存します。

体調や治療スケジュールに合わせた進め方は、収録の流れをまとめた記事で紹介しています。手術までの時間が限られている場合も、まずはお早めにご相談ください。

過去の録音(ホームビデオ・留守電)から作れる?

正直なところ——制約は大きい

「手術前の録音を逃してしまったが、昔のホームビデオや留守電の声から合成できないか」というご相談は少なくありません。技術としては過去の録音から声を合成する試みも存在しますが、雑音・録音時間の短さ・話し方の偏りといった制約で、本人らしい声質を再現することは一般に難しく、医療向けのサービスでは対応していないことが多いのが実情です。

コエノコも、現在は過去の録音からの合成には対応しておらず、手術前の収録を前提としています。だからこそ、手術の予定が見えた段階で、できるだけ早く録音を始めておくことをおすすめします。

主治医・ご家族への相談のしかた

そのまま使える相談の文例

声を残したい気持ちがあっても、治療の話し合いの場では切り出しにくいものです。伝えるべきことはシンプルで、「手術までに声を残しておきたい」という希望と、「治療スケジュールに影響がないか」の確認の2点です。たとえば次のように聞いてみてください。「手術までに自分の声を録音して残しておきたいのですが、治療の日程に影響はありませんか」「録音の時間を取りたいので、手術日までのスケジュールを教えていただけますか」。

治療が最優先であることは前提としたうえで、多くの場合、録音は入院前の自宅や外来の合間でも進められます。ご本人の体調がすぐれないときは、ご家族が情報収集や問い合わせを代わりに進めることもできます。

よくある質問

何を録音すればいいですか?
原稿の朗読よりも、家族の名前を呼ぶ言葉、いつもの口ぐせ、「おはよう」「ありがとう」のような日常のフレーズがおすすめです。AI音声の素材としては、静かな環境で、いつもの話し方で録った自然な話し声が適しています。
どのくらいの長さを録音すればいいですか?
一度に長く録る必要はありません。数分ずつ、体調のよいときに分けて録りためてください。量よりも「静かな環境」「自然な話し方」という質のほうが大切です。スタジオ収録の場合に必要な分量は、収録の流れの記事やご相談時にご案内します。
手術まで時間がありません。間に合いますか?
まず今日、スマホで数分でも録音を始めてください。それだけでも声は残せます。スタジオ収録をご希望の場合は、手術日までのスケジュールに合わせて調整しますので、できるだけ早めにお問い合わせください。
本人の体調が悪いので、家族が代わりに問い合わせてもいいですか?
もちろんです。ご家族からのご相談・お問い合わせも多くいただいています。ご本人の体調のよいタイミングで録音・収録ができるよう、進め方から一緒に考えます。
手術後ですが、昔の録音やビデオから声を作れますか?
申し訳ありませんが、コエノコは現在、過去の録音からの音声合成には対応しておらず、手術前の収録を前提としています。過去の録音は雑音や長さの制約で本人らしい声質の再現が一般に難しく、医療向けのサービスでは対応していないことが多いのが実情です。

出典・参考

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